PROFILE

磁器作家
河合正光
かわい・まさみつ


曇りなき白磁の美を求めて。

 幼き頃より漠然と手仕事に憧れをもち、京都・炭山の伝統工芸士 今橋貴古氏の門下となりました。宇治の北端に位置する炭山は、京焼や清水焼の陶房が軒を連ねる焼き物の里。私はそこで一点の曇りもない純白の肌をもつ磁器の美しさに魅了されました。当時、私がいた陶房では、上絵付けや染付けを施す割烹食器が中心。そのため、磁器の修業と並行しつつ、日本画家の権貴玉氏の下で絵心を学びました。現在、絵付けはほとんど施していませんが、私の中に絵画的な美意識はしっかりと根付いています。
同じ焼き物のカテゴリでも、陶器と磁器は違います。
磁器の粘土は石英や長石といったガラス質を多く含み、粘り気がなく伸びにくいのが特徴。
そのため成形には高度な技術を要求され、「一人前には10年かかる」といわれます。
作り手の労力と引き換えに、どこまでも滑らかな肌、光に透過する性質を磁器は手に入れたのです。